Chips - no.24「海を描く男」

 海を描き続けている男がいる。
 雨天を除けば毎日、決まって正午から午後5時まで、同じ場所で同じ海を描き続ける。

 彼は画家ではない。
 ただ、とある理由で、海辺にいたいだけなのだ。

 ところである夜、彼は夜道で、一人の少女にぶつかった。
 少女は青年に引っ張られ、早々にどこかへ立ち去ってしまった。
 海の絵がアスファルトの上に散らばり、彼はそれを集めた。
 その途中、ある「拾い物」をした。
(Chips - no.27「彼の理由」に続く)


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