Scene10 01:50〜 2/4-C-3/3

 階段からは夜空が見えた。月のない、不吉な空だ。
 ふいにポケットの中が震える。つい悲鳴を上げそうになる。気を落ち着けて、納得する。そうだ、ここはもう、圏外じゃない。
 私はポケットからスマートフォンを取り出す。
 1通のメールが届いていた。差出人は、また「少年ロケット」だ。

 なるほどなー!!! うん、確かにアリだよ面白い!
 こいつは助かるしな、こっから人生は続いていくしな!
 でもよ、他の、あいつやそいつとの関係がほったらかしってのは、かわいそうだろ!? 
 頼むぜ、お前ら。
 やっぱ、こいつは主人公でいなきゃだよ!

 意味がわからない。きっと誰かの悪ふざけだ。
 私はそのまま、階段を下る。
 こんな、ふざけた物語には、もう関わっていられない。

Bad end - no.3「何も知らないままで」

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