Chips - no.43「組織の崩壊」
唐突に起こった組織の壊滅。
これまでの様々な凶悪犯罪者――トレインマンやバーガーマニアなど――が組織によって作り出されたものだということが明るみになり、長い間、新聞の一面を賑わせることになる。
ちなみに、組織の幹部だった男はこう発言している。
「なにが起こったのか、まったくわかりませんでした。まずトレインマンの一人が裏切ったと連絡があって。次に、なんだかへんな、子供じみた必殺技のようなものを叫ぶ声が聞えたと思ったら、組織がなくなっていたんです」
組織関係者の多くが同様の発言を繰り返している。
中には「宙を舞う無数のハートを見た」という者もいる。
あまりに信憑性のない話なので、各新聞社は「内部抗争により崩壊」とだけ報道している。
このことを知った西野原桜は、かつて「彼女」と暮らしていた神戸の町に戻った。
(Chips - no.44「ある出会い2」に続く)
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