Scene33 1/3

「黒崎くん」
 私は、彼に呼びかける。
 そこにいるのは黒崎くんだ。
 何もわからなくても、ハートのペンダントが教えてくれる。
 奇跡が当たり前になって、もう、私は間違えない。
「黒崎くん、だよね」
 決まっていた。
 他にはあり得ない。
 今まで、どうして気がつかなかったのだろう? 鈍くて嫌になる。
 会いたかった。ずっと。何をしていたの? どこにいたの? どうして、銃なんて持ってるの?
 こんな形でさえ、再会は嬉しい。
 純粋に、ただ嬉しい。

 なのに彼は、足元の銃を拾って。
 背を向けて、歩き出した。


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