「黒崎くん」
私は、彼に呼びかける。
そこにいるのは黒崎くんだ。
何もわからなくても、ハートのペンダントが教えてくれる。
奇跡が当たり前になって、もう、私は間違えない。
「黒崎くん、だよね」
決まっていた。
他にはあり得ない。
今まで、どうして気がつかなかったのだろう? 鈍くて嫌になる。
会いたかった。ずっと。何をしていたの? どこにいたの? どうして、銃なんて持ってるの?
こんな形でさえ、再会は嬉しい。
純粋に、ただ嬉しい。
なのに彼は、足元の銃を拾って。
背を向けて、歩き出した。
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