Chips - no.17「離婚時のアユミ」
アユミの高校卒業に合わせ、彼女の両親は離婚した。
アユミはどちらかといえば、母よりも父の方が好きだった。
だが父よりも母の方が、自分を必要としていることも、理解していた。
母にはいつまでも、姉の――マユミの代わりが必要だった。
悩んだ結果、アユミは母の方についていくことに決めた。
神戸の大学への進学が決まっており、どちらにせよひとり暮らしを始めることになっていたため、少し気が楽だったというのもある。やはり母を見捨てることができなかったというのも、もちろんある。
その時、吉川アユミは、岡田アユミになった。