2013-05-04から1日間の記事一覧
しばらくメールをいじっていた。 でも、どこにも送信できない。圏外だから当然だ。 さすがにもう諦めよう、そう決意した時だった。 手の中の、スマートフォンが震えた。 錯覚だ、と思った。電波も届かないところに、私はいるのだから。でも理性とは反対に、…
しばらくメールをいじっていた。 でも、どこにも送信できない。圏外だから当然だ。 さすがにもう諦めよう、そう決意した時だった。 手の中の、スマートフォンが震えた。 錯覚だ、と思った。電波も届かないところに、私はいるのだから。でも理性とは反対に、…
しばらくメールをいじっていた。 でも、どこにも送信できない。圏外だから当然だ。 さすがにもう諦めよう、そう決意した時だった。 手の中の、スマートフォンが震えた。 錯覚だ、と思った。電波も届かないところに、私はいるのだから。でも理性とは反対に、…
しばらくメールをいじっていた。 でも、どこにも送信できない。圏外だから当然だ。 さすがにもう諦めよう、そう決意した時だった。 手の中の、スマートフォンが震えた。 錯覚だ、と思った。電波も届かないところに、私はいるのだから。でも理性とは反対に、…
しばらくメールをいじっていた。 でも、どこにも送信できない。圏外だから当然だ。 さすがにもう諦めよう、そう決意した時だった。 手の中の、スマートフォンが震えた。 錯覚だ、と思った。電波も届かないところに、私はいるのだから。でも理性とは反対に、…
Rule chips 主に書籍や雑誌を扱う店。 本が好きな人間にとって、日常的に立ち寄る場所のひとつ。妙に安らげる。 とはいえ、書店も店舗ごとに様々な特徴を持つ。 たとえば営業時間ひとつをとっても、それぞれ少しずつ違っている。 例を挙げよう。 三省堂書店 …
ポケットの中で、何かが震えたような気がした。 でもそれは気のせいだ。スマートフォンはもう、バッテリーがないのだから。 きっと、恐怖に身震いしただけだ。 ああ、私は。 ――助けて。 きっとこの街に戻ってきて、ゆっくりとした長い走馬灯をみていたのだ。…
前方に白い高架が見える。 その上を、音を立てて電車が走った。一つ右隣の広い通りには丹波口駅がある。 私はもうすぐ電車に乗り込み、ペンダントを捜しに行く。 でも、その前に、深呼吸をしたかった。 あの公園で思い切り息を吸い込めば、全身が生き返るよ…
疲れていた。とても。 モップの抱き心地を思い出す。ふわふわの見た目に反して、意外にごわついた感触。 隣には黒崎くんがいる。彼のぶっきらぼうな表情。でも、よく見ると口元が、僅かに微笑んでいる。 私は、どうすればいいんだろう? 私は、どうなるんだ…
公民館の脇には自動販売機と、青いベンチと、公衆電話が並んでいた。公衆電話の前で、ポケットのメモを開いた。 「なにもわかりませんでした」 女性警官に告げる。 電話の向こうで、彼女は笑う。 「律儀な子って、好きよ」 「じゃあ――」 電話を切ろうと思っ…
濃密な記憶の中に、私はいた。 あの半年間がこれまでの人生の大半だったように思った。 こんな時なのに、ぼんやりとジオラマを眺める。 ――どうして。 ふいに、怒りが湧いてきた。 ――どうしてこれの写真が、トレインマンに届くの? 嫌だ。あの半年間だけは、…
彼はどこか誇らしげに、そのジオラマを眺めていた。 私たちは2人で、建物を指さして。 ――オレ、その本屋よく行くよ。立ち読みばっかだけどさ。 ――あ。あっちの雑貨屋さんで、可愛い消しゴム見つけたんだよ。 本当はもうお互いが知っていることを、ひとつず…
公民館に近づくと、あの頃の記憶がよみがえった。 思い出は匂いに似ていた。ある点から浸み込んで、いつの間にか意識を満たす。――ここには、かつて彼と訪れたことがある。 だから私は公民館を目指したのだ、と気づいた。 あの女性警官に頼まれたというのもあ…
さすがに、マンションを出る瞬間は緊張した。 物音を立てないようにゆっくり歩き、辺りを見回す。あのキャップ帽も、ベレットも目につかない。 でも不安だ。背の低い建物ばかりの街並みを、足早に進む。 ここが京都だということは、あの女性警官がタクシード…
アルバイトの帰り道に誘拐された私には、まともな荷物もない。 玄関に向かい、靴を履く。 「あの」 後からついてきた女性警官に声をかける。 「ありがとうございました。それに、ごちそうさまです」 彼女はふっと笑う。 「変な子。私も、トレインマンよ」 も…
擦りガラスのはめ込まれたドア越しに、女性警官のシルエットが見えた。 彼女は携帯電話で、誰かと話をしている。 私はトーストに噛みついて、ほうれん草を口に運んだ。 それからポケットの中の、スマートフォンを取り出す。あの、パスワードを教えてくれたメ…
しばらく、彼女の話に圧倒されていた。 でも、やがて疑問がわき上がる。 まただ。「どうして」。でも気になった。 「どうして、こんな話を、私にするんですか?」 必要ない。むしろ彼女には不利なはずだ。 きっと私は、これから警察へ行って。 今、聞いた話…
柔らかなスクランブルエッグの、程よい塩分が美味い。 「私たちの仕事は、つまり新聞の一面を差し替えることなのよ」 と女性警官が言った。 「どうして、そんなことしなきゃいけないんですか?」 「世の中の仕事はみんな同じよ、それを望んでいる人がいるか…
よく眠れた、わけがない。 全身が気だるい。まったく疲れが抜けた気がしなかった。 私は女性警官についてリビングに出た。 テーブルの上には朝食が並んでいる。 トーストに、スクランブルエッグ。ほうれん草とトマトに少しだけシーチキンが混じったサラダ。 …
彼のことばかり考えていたせいだろうか。 目を覚ましてもしばらく、記憶が繋がらなかった。 ここは? 知らないベッドの上にいる。 ――いや、知っている。 ぼやけた記憶が、ゆっくり輪郭を取り戻す。 昨夜、あのマンションの一室で、地味なスーツに着替えた女…
黒崎くん。 彼の名前を呟いて、目を覚ます。 ぼやけた視界で考えた。 今、彼はどこにいるのだろう? 何をしているんだろう? どうして私は、彼のことを、何も知らないのだろう? 高校の2年生まで、私たちはずっと手紙のやり取りをしていた。 手紙でも彼は、…
夢を見ていた。 あの公園。 モップが足元にじゃれてくる。 黒崎くんは笑っている。 約束が叶って、私たちは毎日、並んで公園を歩く。 暖かい夢だ。光に満ちた夢だ。 でも、何か違和感があった。 ――ああ、そうだ。 彼があのペンダントをしていない。 そのこと…
このブログは、インターネット企画「3D小説」のために用意されたものです。 当「3D小説」はグループSNEの公式twitterアカウント上で、企画責任者である「少年ロケット」が開催いたしました。 この企画は5月5日に、無事、「 Bad end 」の修正を終え…